更新日:2023年03月06日

形を変えて受け継がれる醤油文化/クルメキッコー(福岡県)

クルメキッコー

秋川牧園のだし醤油」や、秋川牧園の冷凍食品に使用する醤油類の製造をお願いしている、福岡県久留米市で140年続く醤油蔵、クルメキッコーさん。
国産原料を使用し、手間暇も、時間もかけて行う木桶仕込みで醤油を作っています。

クルメキッコー看板

こだわりの原料で仕込む、天然醸造の丸大豆醤油

醤油の原材料は、大豆と小麦、食塩。クルメキッコーでは国産丸大豆※と福岡県産の小麦、メキシコの天日塩を使用。できる限り地元九州の原料を使用して醤油を作っています。「丸大豆の油分や天日塩のにがり(ミネラル)成分がなくたって醤油は作れますが、出来上がった時の味わいの深さがまるで違うんです。」と営業担当の落合さん。※基本的には福岡県・佐賀県産の大豆を使用。天候・災害などの理由により、著しく大豆が不作の場合は、他都道府県産のものを使用する場合があります。(2023年2月現在)

丸大豆醤油の原料となる国産の丸大豆。

圧巻!杉木桶が並ぶ醤油蔵

杉木桶がずらりと並ぶ醤油蔵の中は、ふんわり醤油と大豆の香りが漂っています。クルメキッコーにあるおよそ200個の杉木桶の半数以上が、廃業する酒蔵や醤油蔵から譲り受けたもので、木桶それぞれに酵母菌や乳酸菌が棲み着き、醤油に様々な旨み成分を加えます。「うちで使っている一番新しい桶でも73歳。ひとつひとつの桶に歴史があるんです」。
加温等を行わず、四季の移り変わりとともに発酵させる杉木桶で仕込む醤油が、完成までにかかる時間はおよそ1年。現在主流のステンレスタンク等で人工的に温度調整する製造方法と比べると、倍以上の時間がかかります。
しかし長期間じっくりと熟成させることで、天然醸造ならではの複雑な味わいに仕上がります。

醤油蔵醤油蔵の中の様子。小窓から差し込んだ光に照らされる桶が、どこか神聖な雰囲気を醸しています。

大切に「そだてる」醤油造り

原料の輸送や、こうじ作りの温度管理など、機械に任せる部分もありますが、それでも作業の大半は人の手によるもの。
例えば、「櫂つき」と呼ばれる、木桶に仕込んだもろみ(醤油のもと)の撹拌も、職人さんが毎日行う作業の一つ。
軽々と作業されていましたが、かなりの重労働…重さもさることながら、身長よりはるかに高い櫂をスムーズに引き上げることも難しいのです。
しかし、職人さんたちが手や想いをかけた分、桶の微生物たちが応えてくれるそう。
「おいしくなれよ、と思って醤油を育てると、本当においしくできあがるんです、不思議ですよね」

櫂つき「蔵で作業する際は必ず前掛けを締めます。気も引き締まるんです」と話してくださいました。

形を変えて受け継がれる醤油文化

家庭における醤油の消費量は、年々減少しており、20年前と比べるとおよそ半分程度。一方で、手軽に使えるだし醤油や冷凍食品など、醤油を利用した加工食品の需要が増えているといいます。
「時代の流れに合わせて形は変わっているけれど、日本人の食の根底はやっぱり醤油、これからも様々な在り方で食卓を支えていきたいですね」と話してくださいました。秋川牧園の冷凍食品のおいしさも、クルメキッコーさんの醤油をはじめ、深みある味の調味料に支えられています。

クルメキッコーの落合さん(左)と大塚さん(右)クルメキッコーの落合さん(左)と大塚さん(右)

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