放射性物質の拡散による不測の事態に備え
秋川牧園内に放射能測定室を設け、自主検査を行っています。
放射能に対する考え方

放射性物質のリスクをできる限り無くし、
より安心、安全な食の生産を。

2019年3月に起きた福島第一原発の事故から、月日は過ぎましたが、環境中に放出された放射線物質はセシウム 137だけで見ても 1.5京(10の16乗)ベクレル(Bq)と言われています。今尚、冷却水は汚染水として排出され続けており、適切な管理がなされなければ、危険なものであるということは明らかです。放射性物質には半減期があり、月日とともにそのエネルギーは下降していくため、当時よりは収束しているとも言えますが、過去の核実験やチェルノブイリ事故、スリーマイル事故のその後を見ると、低線量でも楽観視はできない状況は今もなお続いていると考えています。
目に見えない放射線は知らず知らずに体を蝕み、健康な暮らしを脅かす存在であるとの考えから、私たちは体に取り込む量をゼロにはできないかもしれないけれど、限りなく減らしたいという想いを大切にしてまいりました。
原発事故の直後より秋川牧園では、放射性物質についても注目し、できうる対策を進めてまいりました。安心安全な食のパイオニアとして飼料の分別管理を行ってきた経験から、産地のコントロールや、原材料についての選定基準などを定め、予防線をはりリスクの低減化を進めてまいりました。また、2011年には自社内に放射能測定器を配置し、放射能測定室を設置しました。基本的に休業日と点検時以外は常に検体を検査し続けており、機械の特性などを把握しその検査技術も向上したため、現在では年間約2800体(※2019年実績)の検査を行い、不測の事態に備える体制を整えています。検査対象は自社で作る生産物を中心に、その他全国の生産者からお取り寄せする商品についても、それぞれの商品特性に合わせた優先順位で検査を進めております。
栄養バランスの良い食事を取ってほしい
放射性物質は体内に不足する栄養素があれば、その栄養素に置き換えて体内に取り込んでしまうとされています。例えば放射線セシウム。キュウリや里芋、バナナなどに多く含まれるカリウムはセシウムと同族。体内にカリウムが少ない状態でセシウムを摂取すればセシウムを体内に取り込んでしまいます。そのほかストロンチウムはカルシウムと同族など、体の中にミネラルが満ちた状態であれば、放射性物質を摂取したとしても、体内に取り込む量は少なくなり、内部被ばくを抑えることができると考えています。秋川牧園ではバランスの良い食事ができるよう様々な安心の食を取りそろえるよう準備しています。
放射性物質の食品汚染についても心配なく「食」を楽しめるよう組み立て、ご自宅までお届けしています。
放射能の検査体制
飼料の産地がわかる、
秋川牧園のノウハウ

秋川牧園では二十数年に渡り、秋川牧園の家畜に与える飼料原料について、産地並びに、非遺伝子組み換え、ポストハーベストフリーの原材料の特定や分別を行い、飼料中の残留農薬を最小限に抑えることに取り組んで参りました。
震災後もこれらのノウハウが最大限に活用されており、一つ一つの飼料原料について、原産地の確認や放射性物質のリスクの検証しています。

自社検査室における放射能測定
秋川牧園では、放射能測定器を所有し、専属の検査員を配置して、日々放射能検査に当たっています。 特に、畜産物においては、飼料を通して生産物に取り込まれるリスクが考えられます。
飼料については、定期的に徹底した自社検査をしており、さらに月1度は外部検査機関に依頼して検査を行い、より詳細な結果まで確認をしております。また、農場から出荷された生産物については、収穫単位、製造単位、週単位、月単位など、個々の性質に応じた綿密な検査を実施し、確かな安全性を確認しています。

放射能検査だけでは
得られない食のリスク管理

秋川牧園で生産していない商品についても、生産者ならではの厳しい視点で、安心、安全を確かめております。継続的な放射能検査に加え、検査だけでは得られない実質的な食のリスク管理を行い、皆様へ情報を提供しております。
放射能の検査方法と
検査結果の報告
Inspection
- 秋川牧園 放射能検査室の計測器はシンチレーション式です(ベルトールド社 ガンマ線スペクトロメーターLB2045)。計測器の特徴としては、セシウム134やセシウム137といった放射性物質の核種を特定して計測でき、低線量の放射線にも感知しやすい性質をもっています。
- 外部検査機関では、ゲルマニウム式計測器で検査を実施します。飼料などを中心に、より詳細な調査や、低量の放射性物質の推移を調査する目的で、外部検査を行います。
- 検査している放射性物質は、セシウム134とセシウム137の2核種です。
- 放射能検査の結果は、検出限界値未満、検出下限未満で不検出と表記し、ホームページで公開しています。
- 検出限界値や検出下限は、検体によって異なりますが、シンチレーション式では概ね各5bq/㎏前後、ゲルマニウム式では概ね各1bq/㎏の結果まで確認しています。尚、検査で得られる検出限界値は、検査の時間や検査する検体の容積や重さなどで違ってきます。検出限界値の差は、必ずしも放射性物質の量と関連しないことを踏まえ、ご判断ください。
- 放射能測定は、検体の量目が多く、検査の時間が長い程、より詳細な検出限界値が得られる傾向にあります。秋川牧園では、一定数の検査を継続的に実施することに重点を置いた検査を行っている為、検査時間を一定で打ち切るなどして、より多くの検査ができるようにしています。詳細な状況を把握が必要な検体に絞って、検査時間を長くしたり、外部の検査機関に検査を依頼するなどして、より詳細な検査を実施しています。
- 秋川牧園の生産物や飼料について、定期的に検査を実施しています。それ以外の商品については、放射能リスクを判断し、優先順位を決めて検査を実施しています。
秋川牧園の生産物の産地
生産物 | 産地 | 農場数 |
---|---|---|
牛乳 | 山口県 | 2 |
卵 | 山口県 | 3 |
若鶏 | 山口県・島根県・福岡県 熊本県・大分県(赤どり) |
22 |
黒豚 | 福岡県 | 2 |
和牛 | 山口県・福岡県 | 2 |
野菜 | 山口県 | 6 |
家畜の主な配合飼料原料の産地
(2019年9月時点)
原料名 | 産地 | 若鶏 | 赤どり | 黒豚 | 和牛 | 乳牛 | 採卵鶏 | 採卵鶏 (全植) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
トウモロコシ | アメリカ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
マイロ | アメリカ・アルゼンチン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
大麦 | オーストラリア | ○ | ○ | ○ | ||||
きな粉(大豆) | アメリカ・カナダ・ブラジル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
もみ・玄米 | 山口・福岡・佐賀・熊本・大分 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
大豆油かす | アメリカ・ブラジル・カナダ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
菜種油かす | オーストラリア | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
やし油かす | フィリピン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
グルテンミール | アメリカ・ハンガリー セルビア・ブラジル |
○ | ○ | ○ | ○ | |||
米糠 | 国産(加工地は福岡) | ○ | ○ | |||||
ふすま | アメリカ・カナダ オーストラリア 福岡(加工地は福岡) |
○ | ○ | ○ | ||||
魚粉 | 産地は不特定(加工地は広島) | ○ |
※ 原料の安定供給のため、原産地が変更になる場合があります。
乳牛・和牛の主な粗飼料の産地
(2019年9月時点)
原料名 | 原産地 | 乳牛 | 和牛 | 備考 |
---|---|---|---|---|
牧草類 | アメリカ・オーストラリア・ チリ・山口県 |
○ | アルファベール・チモシー・オーツヘイ スーダン・ビートなど |
|
稲わら | 山口県 | ○ | 自家生産 |
安心野菜セットの産地
(2014年3月時点)
安心野菜セットでお届けする野菜は、下記の産地、生産者よりお届けしています。
野菜セット、野菜セットプラス以外で、ご案内しているお野菜についは、産地名を商品カタログに表示しております。
所在地 | 産地名 | 主な品目 |
---|---|---|
山口県 | 秋川牧園 ・ゆめファーム ・河野靖弘 ・兼村美津子 ・宮本冨久江 ・世良慎一郎 ・下瀬善弘 |
野菜全般 |
奈良県 | 味土里の工房 山口農園 |
葉物野菜、果菜類 |
鳥取県 | 勝部農場 | ネギ |
島根県 | 柿木村有機農産物流通センター やさか共同農場 |
野菜全般 |
広島県 | よしわ有機農園 山本ファミリー農園 田辺農園 |
野菜全般 |
熊本県 | くまもと有機の会 | 野菜全般 |
鹿児島県・宮崎県 | かごしま有機生産組合 | 野菜全般 |
沖縄県 | しまぬくんち | 果菜類など |
秋川牧園の生産物以外の商品
直宅会員様へは、秋川牧園の生産物以外にも様々な商品をご案内しています。これらの商品の放射能検査は、商品の特性から優先順位と頻度を決め、出来る限り多くの品目に対して行っています。
特に食べる量が多いお米やパンの原料となる小麦粉、海藻類や魚、水産品を主原料とした加工食品については、頻度を上げ、重点的に検査をすることで、安全性を高めていきたいと考えています。 また、素材はもとより、加工食品として使用される原材料の産地について、できる限り多くの原材料の産地確認を進めています。特に、加工食品の主原料については、ご案内のカタログでご確認いただけるようしております。

水産品の取り扱いについて
水産品については、漁獲地の確認を重点的に行っています。原則、関東から三陸にかけての沿岸で漁獲される水産品のご案内はございませんが、サンマや鮭などの魚は、該当地域の海域でしか漁獲されない為、検査を行った上で別枠にてご案内をしております。
お米について
通常カタログでご案内しているお米の産地は、下記の通りになります。お米については、すべて新米収穫時点で、放射能検査を済ませ、インターネットで情報を開始しています。
尚、福島県の生産者のお米を、下記復興応援企画でご案内しております。このお米については、生産者が独自に放射能検査室を設け、田植え前に田んぼごとに土壌検査を実施し、収穫した後も田んぼごとに検査を実施し、さらに精米時にも検査をして、厳重な管理のもと出荷がされています。
銘柄 | 産地 | 生産者名 |
---|---|---|
清流 | 島根県 | ファーム木精 |
西京の恵み | 山口県 | 都濃自然米グループ |
ミネラル米 | 山口県 | 福賀ミネラル水稲部会 |
山口ふるさと米 | 山口県 | 仁保・小鯖地区生産者 |

復興応援企画のご案内

東北や関東圏の生産物については、当社並びに産地で独自に放射能検査を行い、産地などの情報をカタログに記載してご案内しています。これらの復興応援商品は、単に復興支援の為に案内するのではなく、検査などを通して安全性を確認した商品です。皆様が判断できるように情報を公開してご案内しておりますので、皆様の温かいご理解をお願い致します。

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