更新日:2018年06月09日

もう邪魔モクなんて言わせない。スーパー海藻「アカモク」/EVAH(山口県)

加工現場(湯通しの様子)この後刻むとアカモク特有のねばりが。

「アカモク」ってご存知ですか?

日本全国の海(浅海)に分布している海藻の一種で、秋田県や山形県、新潟県など一部の地域では「ギバサ」や「ナガモ」と呼ばれて昔から食されていました。しかしここ長門市では、ほぼ食べる習慣はなく、むしろ、遊覧船のモーターや漁場の網に絡みつくため、皆から“邪魔モク”と呼ばれ邪魔者扱いされていたんだそう。このアカモクに着目したのが株式会社EVAHです。今年4月に入社した新入社員・有本と一緒に取材してきました。

実はすごい海藻だった!

仙崎でいち早くアカモクに目をつけた漁師で、組合長でもある中田さん。

今でこそ仙崎の1ブランドまで成長したアカモクですが、最初はなかなか軌道に乗らなかったそうです。「周防大島(山口県)で食べているのを見て、これはいけると思たんや。でも最初の3年くらいは全然売れんかってな。その後EVAHと出会って、アカモクに対する熱意から協力することになったんや。」と語るアカモク漁師の中田さん。

アカモクは生育期間や雄雌で粘りや色が変わる海藻。紫外線に弱いため、収穫したらビニールで覆います。

そんなアカモクですが、ワカメやモズクなど他の海藻に比べてもミネラル含有量が非常に多く、近年その美味しさと栄養価からブームに火が付き、年々出荷量が増えているそう。今では30代の若い漁師もアカモクに漁に多く参入してきているんだとか。

船上からわかるほどあたり一面、生育していました。長いもので約15mのものも!仙崎地区周辺は遠浅の海の美しさや海流の強さのおかげで、全国的にも良質で大きなアカモクが育ちます。良いアカモクを採り続けるには、美しい海を守ることが必要なんです。

ブームで終わらせない。

中田さん夫妻(手前)とEVAH宮田さん(奥)

「ブームで終わらずに、定着していくことが大切。」と語るEVAHの宮田さん。その想いは漁師も同じで、アカモクを収穫する際のルールを自主的に作り徹底しています。収穫すればするだけお金になるから、目先の利益だけで動いてしまいそうになるけれど、「沢山あるからといって、むやみやたらに採ったり、質の悪いものを採ったりしないよう厳格に注意している。」と中田さん。例えば、収穫鎌の大きさを約50cm以内に決めて根こそぎ収穫できないようにし、収穫後も海中にアカモクを残し、翌年に繋げているんだそうです。

地元にこのような環境を守る漁師がいるから、採り続けることができ、腕の良い漁師がいるから、お客さまに「おいしい」と言っていただき、リピートされる。これこそが「持続可能な漁」ができる理由なのだと感じた取材でした。漁師の想いが詰まったアカモク。是非一度お試しあれ♪


新人:有本の感想

恥ずかしながら、今回取材に訪れるまでアカモクを聞いたことも食べたこともありませんでした。しかし、実際に製造現場やアカモクの生息地を見たことで、アカモクのことを身近に感じることができました。製造現場では、アカモクについたエビやカニを取るために、薬剤を使うわけではなく、一度冷凍することで取りやすくしており、安心・安全のための工夫に驚きました!

地元の女性達がメインで加工しています。

取材後にアカモクを食べましたが、粘りがかなり強く、シャキシャキとした歯ごたえでとても美味しかったです!また、癖が本当に無く、海藻独特の風味が苦手な方でも食べやすいと思いました。漁師を天職だと仰る中田さんが、「漁師のプライドをかけて、自分が食べて本当に美味しい良いものだけを提供したい、良いものを採れば添加物などは何も使わなくて済む。」と語ってくれた言葉が本当にかっこよく、私も仕事をする中でそう言えるような何かを見つけていきたいと思いました。

また、株式会社EVAHの山田マネージャーは今後のアカモクの展望について、「安心なものをより安定してお届けできるような製品にしていきたい。」と意気込みを語ってくれました。アカモクがワカメやモズクと同じように食卓の定番になる日もそう遠くないと感じました。

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