更新日:2015年12月01日

本くず粉の生産者:廣八堂

葛粉末秋川牧園

根は食用、漢方薬に。葉は家畜の飼料に。蔓つるは布の繊維に。花は民間療法に。
その素朴さゆえに捨てる部分なく様々に利用され、古代から日本人と密接に関わりあってきた「葛」。
現在では、根から取れたでんぷん質である「葛粉」が料理に使われ、根の部分が最も身近ですが、原料の確保の難しさから、畑で広く栽培されているジャガイモや甘藷から作られるでんぷん粉(片栗粉として)の方が、圧倒的に使用量が多く、「家庭のでんぷん粉」としては存在感が薄れているのが実情です。

今回は身近なようで、遠くなってしまった葛の世界をご紹介します。

 

 

伝統製法と近代設備の融合

葛といえば「奈良県の吉野葛」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は、葛の生産量日本一なのは「鹿児島県」。

特に廣八堂さんは明治8年創業以来、本葛粉をつくり続けて130余年の歴史を重ね、全国に流通する葛製品の3~4割を生産するトップメーカーです。

桜島を望む海沿いに工場があります。

桜島を望む海沿いに工場があります。

本社があるのは福岡県朝倉市秋月ですが、昭和28年に、より豊富な原料を求めて鹿児島工場が建設されました。ここでは葛根の採取から精製、そして仕上げまですべての工程を一貫して行っています。

廣八堂製造工程・秋川牧園

スコップ1本!?大きさにビックリ!!

そもそも「葛」という植物がどのように採取されているのか、それすら知らない私。

笑顔で出迎えてくださった榎木工場長に伺うと、

「堀 り子さんと呼ばれる方々が、山から掘ってくるんですよ。皆さん、次第に競争意識というか職人化するところがあって、いかに大きな原木のまま掘りあげてくるか、に腕がなるようです。結局粉砕してしまうから、大きさは必要ないんですけどね(笑)」

と見せてくださった写真にびっくり!名人・久保さんが掘りあげたのは60~70kgの大物。

過去には220kgを工場に持ち込んだ方もいらっしゃったそうです。

②堀り子

廣八堂さんでは、現在150人の掘り子さんが活躍中。

過去に掘りあげられた葛根。220Kgの大物です。

過去に掘りあげられた葛根。220Kgの大物です。

 

葛の採取は12月から3月までの冬場で、ちょうど農閑期にあたるため、副業として古くから農家の方が掘り子となって活躍してきました。

葛の花

葛の花

「山に入って、掘って、山から葛根を下ろすのは、すべて人力ですよね・・・。すごく大変そうです。」と言うと「とても重労働ですね。簡単にできることではありません。冬になると、葛は葉を落としてどこに根があるのか分からなくなるので夏の間に印をつける必要もあるし、掘るのはスコップ1本です。しかも掘り子さんも高齢化していますから」とのこと。

 

山から採取した希少性のある「天然物」であるというのは、数あるでんぷん粉の中でも、その特別感を感じさせます。

しかし、残念なことに掘り子さんの高齢化により、天然の葛根を手に入れるのが難しくなってしまう未来が近づいているというのは、伝統的な食を失ってしまう怖さを感じてしまいました。

そこで廣八堂さんでは、万が一、入手困難になっても「伝統の原材料を守り抜いていく」ために、宮崎県にて葛の有機栽培にも取り組んでいます。

「風味とは風土の味です。海外産では日本が愛してきたその土地固有の味わいは作り出せません。伝統の原材料が消滅することは、一つの日本文化が消滅することにも等しい。廣八堂の使命は先人から受け継いだ葛の魅力を後世にしっかりと伝えていくこと。」その想いを畑へと繋いでいます。

手作りだから味わえる葛の風味

「取引先の多くは和菓子店や割烹などの料理店、そして日本食ブームで海外からの注文も多くいただいています。その一方で家庭用はなかなか…。

もっと気軽に楽しんでいただきたくて、商品開発も行っているのですが、売れ行きはさっぱりです。」

 

と、ちょっと寂しげに話す工場長。

くずがき工場でいただいた「葛がき」のまったりもちっとした舌触りとやさしい風味は最高の美味しさでした。葛粉はジャガイモでんぷんに比べて粒子の大きさはおよそ1/3。保存性のため、葛餅などのような葛関連商品は他の植物でんぷん粉が入っていることが多く、それ故にこの食感と風味を味わえるのは葛粉100%のこの商品を使った手作りならでは。

心も体も温まる手作り葛がき。

これからの季節の楽しみが一つ増えた気がした取材でした。

 

 

 

秋川牧園が選ばれる理由

昭和初期、初代 秋川房太郎がいつも家族に語りかけたというこの言葉は、今この時代までしっかりと受け継がれ、秋川牧園の核をなす信念となっています。

そして今やこの言葉は、社内だけではなく、利用いただく購入者の皆様の心にも浸透しています。

毎日の生活に欠かせない「食」。いのちをつくり、いのちを守る「食」。
それを今一度見つめ直し、あなたの生活、ひいては地球の未来について考えてみませんか?

選ばれる理由

選ばれる理由

生産から加工、そして消費。
“あなたの農園”から“あなたの食卓”に届くまで。
私たち秋川牧園はそのすべてを
全力でサポートします。

おためしセット