更新日:2013年03月13日

「海外からの食べ物・・果たして、大丈夫?」(アグリロハス 4月号)

大量の中国産鶏肉が加工品として、輸入されている・・

"中国からの鶏肉・鶏肉調整品輸入量推移グラフ"

中国の「鶏肉」については、鳥インフルエンザの発生により、防疫面から日本との相互の輸出入が禁止されています。その結果、中国からの鶏肉は加熱処理された「鶏肉調整品」として大量に日本に輸入されるようになりました。仮に鳥インフルエンザの懸念がなくなれば、中国の鶏肉は生の鶏肉として輸入される可能性があり、その時は、鶏肉調整品と合わせると、その輸入量はさらに増加するとも考えられます。

数多い中国における食の不祥事の中で、2008年の毒入り餃子事件、そして、メラミン混入粉ミルク事件は特に大きな波紋を呼びました。しかし、人の噂も75日、5年前に起きたあの重大事件も、今では、もう忘れられようとしているところに、人の持つ弱さを感ぜざるを得ないものです。

今でも鶏肉は加工された鶏肉調製品という形で、年間21万5千トンも中国から輸入され、この量は日本での生産量の約1割にも相当する大きなものとなっています。

 

「中国当局も 食の安全に本気になった!?」

・・抗生物質の摘発事件から・・

昨年の12月、中国当局が、ケンタッキーフライドチキン(KFC)に納入されている中国産鶏肉について抗生物質が検出されたことに触れ、その取締に乗り出していることが、ネットを通じて世界に配信されました。

この話は、その後、マクドナルドにも波及し、折からのPM2.5の環境問題とも絡んで、ネットでも、今も大きな波紋を投げかけています。

今回の問題となった発端は、主に鶏肉への抗生物質の残留の問題で、その結果、中国で生産販売されている鶏肉を使用しているケンタッキーフライドチキンやマクドナルドに波及して大きな波紋を起こしているものです。

なぜ、鶏や豚牛等に大量の抗生物質が使われるのでしょうか?

答えは簡単、大量生産による家畜の詰込み飼育で、飼育環境が劣悪化する中、病気が多発して常在化する。その結果として、薬漬けの養鶏や畜産がますますエスカレートせざるを得ない、その悪循環が続いているのです。

鶏では、血便をするコクシジウム症や、伝染性コリーザー症等から始まり、今では、世界的な慢性伝染病となったマイコプラズマ症、さらに現在、最大の難病である「病原性大腸菌症」の世界的な流行が続いて、これらの予防治療に抗生物質が欠かせないものとなっているのです。

この病原性大腸菌症は、生の牛肉レバー等で問題となったO-157 とは異なり、人に感染する心配はありませんが、ブロイラーの生産で多発して大きな被害をもたらしているものです。

私も、ここ数年間、中国等、海外の養鶏の視察指導に出かける機会が多くなっていますが、特に飼育環境に課題のある中国では、この大腸菌症の発症が重篤で、鶏が病気で駄目になる前に早く出荷してしまいたい、そのような背景の中で休薬期間(後述)が守れない、こんな悪循環も続いているように思えるのです。

 

「病院に行っても薬が効かない」

これは、すべて大量生産に伴う価格競争の中での行き着く先のもの、暗い鶏舎の中に1平米あたり20羽以上も鶏を詰込み、その劣悪な環境の中で、鶏舎や豚舎の中は病気の巣窟となり果てます。

対策として大量の抗生物質が使われるのですが、動物専門の抗生物質がない中で、結局は、人用の抗生物質が畜産用や養殖魚用に大量に使われます。

その結果として、肉や卵等に抗生物質が残留し、それを食べた人には、低濃度の抗生物質が移行する。そして、その人が病気になって治療薬が必要となった時、生き残った菌が薬の利かない耐性菌となって人の生命を脅かす、それが、耐性菌のもつ恐ろしいメカニズムなのです。

今や、英国、フレーミング博士のペニシリンの発明から始まった抗生物質は、耐性菌の中で大きな危機を迎えているのです。

かつて、日本でも、同じような時期もありました。

1970年代に、日本では飼料安全法等が改定され、鶏等、家畜の飼育にあたって、抗生物質等を与える場合は、その生産物を出荷するまでに一定期間についてその投薬を休む期間(休薬期間)が義務付けられましたが、この日本においてすら、当時は、中々法が遵守されない残念な状況が続いたのです。

 

「世界の無投薬飼育に貢献する」

"無投薬飼育で育つ若鶏"

秋川牧園の若鶏は全期間無投薬飼育です。休薬期間を考える必要はありません!

このような中で、秋川牧園が確立した世界で始めてと言える「無投薬飼育」が、いかに大きい意義をもつものであるかについて、さらにご理解をいただきたいと思うのです。出荷前に、休薬期間を設けるという話は、守れないという誘惑と隣合わせになるからです。

無投薬飼育の鶏肉を食べていただく顧客の皆さん方も、外食や、駅弁を食べれば、普通に輸入の鶏肉を食べる関係にもあります。

私共は、この中国のブロイラー飼育でも、この無投薬飼育は可能だと考えています。

中国を初め、多くの途上国が抱えるこれらの課題に、私どもが指導の役割を果たすことで食の安心安全に貢献する、そのことについても真剣に考えているところです。

それは、中国も、今、先進国へと発展する中で、まず、中国の自国の方に、自国で生産される安心安全な食べ物を食べていただきたいと思うからです。

去る2月14日号の週間文春で、「中国の食品の不安」について8ページにもわたる力作が掲載され、これをご覧になって、さらに問題の深さを認識された方も多かったことだと思います。

さて、次回では、私ども挑戦の物語「食の不安、残留農薬の海外編」をお伝えします。

 

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